2008.01.23 Wednesday
語り伝えよ、子どもたちに ホロコーストを知る
著:S. ブルッフフェルド
みんなのおすすめ度 (5点満点):3.5 点

内容紹介: 第2次大戦中、ナチス・ドイツによって行われたユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)は、人類史上最大の汚点ともいうべき出来事だった。ヨーロッパ中で何百万ものユダヤ人が財産を没収されて収容所に送られ、無造作に命を奪われた。なぜこんなことが起こったのか、という問いに答えを返すことはたやすくない。だからこそ、ホロコーストに関して膨大な書物が出版されてきたし、今後もされ続けていくだろう。 <p> その中においても、本書は独特の成立過程を持っている。スウェーデン政府のプロジェクトとして研究者に執筆を依頼、完成した本は家庭に直接届けられた。歴史の暗部に目を向け、子どもたちとの対話をうながす意図によるという。そのため、きわめて平易な叙述でホロコーストの全貌が描き出されており、まったくの初心者でも問題なく読み進むことができる。くわえて写真・図版も豊富で、詳細な年表まで収録されている。ホロコーストの基礎知識を得るには最上の1冊だろう。 <p> それでいて、踏み込みは驚くほど深い。ヒトラーやゲーリングのような指導者層の動きも押えてはいるが、視点はあくまで民衆ひとりひとりに据えられている。理不尽な差別に怒るユダヤ人女医、ゲットーで死にゆく子どもたちをみとる看護婦、収容所での虐待を克明に回想する生存者、そうした声が丹念に拾い上げられているうえに、ロマや同性愛者、障害者など、やはりナチスに迫害された人々への目配りも欠いていない。ホロコーストが単なる歴史上の挿話ではなく、実際に流された血の集まりなのだということが痛いほど伝わってくる。 <p> また、特筆すべきなのは、日本版用にホロコーストと日本に関する1章が加えられていることだろう。ユダヤ人を救うためビザを発給した杉原千畝の行為は有名だが、日本政府の対ユダヤ人政策、神戸のユダヤ人社会などの記述も興味深い。 <p> 今後、日本人の親子がホロコーストについて議論を交わしあえるかどうかはまだわからない。だが、少なくとも材料はここにある。目をつぶってはならないことが確かに存在するのだ。(大滝浩太郎)
感想:なつごん さん
さらりとわかる内容でした。
私がこの本を購入するきっかけとなったのは「戦場のピアニスト」という映画を見たことです。漠然としか知らなかったナチ時代をもっと知りたい、というか、どんな残酷なことが行われていたのか、書物で見てみたいと思いました。歴史の知識も皆無に等しい私にもわかりやすい内容で、下のレビューにもあったとおり、学び始めの者に適した書物ではないでしょうか。写真がところどころにあり、そのタイミングや量もちょうどよく、おおまかなことが理解しやすかったです。あの中から興味ある分野や章を拾いだし、他の書物等で突き詰めていくという過程をふめば、もっと理解を深めることができそうです。
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語り伝えよ、子どもたちに ホロコーストを知る

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