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@速読書事典

速読や読書術・書籍の大百科事典です。
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踊り明かしたあとに見える風景〜村上春樹/ダンス・ダンス・ダンス〜
「ステップを踏み続けるんだ、人が感心してしまうくらいに」


「羊をめぐる冒険」、と位置づけられます。

4年…、時間は経過し、主人公はあの、特殊な体験から逃げるように現実の中で仕事をこなしていたけれど、頭の中で「いるかホテル」の存在が大きくなってます。


今、思えば、耳のステキな女の子(娼婦名:キキ=【危機??】)は村上春樹さんの小説自体に大きな変革をもたらしたキーパーソンだと(だったと)いえます。

彼女、キキの存在がより神秘的な扱いになり、物語は進みます。

人のお金でハワイにだってバカンスにだって、行きます。



後半、「いるかホテル」でねじまき鳥クロニクルで登場する、壁抜け、の予兆ともいる行動を主人公はとります。

これは何度読んでみても、鳥肌ものです!
イメージの臨界点に達するような強烈さです。
狂おしいまでの豊穣なイメージの原風景!!!


抽象的ですが、ブワアーーッと虚実ない交ぜの世界を見せつけられました。

現実とも、幻想ともつかないような、リアルな「夢」を見せつけられました(確かに僕は村上ファンであることは認めますが、村上信者ではありませぬ。批判的な読者としての位置は崩したくありません)。

世界がバラバラに音もなく朽ちてゆくなかで、高速の、生き物や植物の生死の早回しの映像のような世界をみたんです。


物語のテーマはやはり「羊〜」と同じですが、より具体的に現実的な事例に則して「高度資本主義社会」をサラリサラリと扱っています。

マセラティとか象徴的ですね。

そして、ここでは、死が重要でもあります。

資本主義と、死。

「完全に死んでいる」なんて言い方が出ますね…。

死はそこにある。

ハワイに死の部屋、というのは絶妙なセッティングです。

わざわざ「僕」=五反田クンという文章にも気をつけるべきです。

資本主義の恩恵を受けて「間違ったこと」をしてしまっているという図式は何も特定の人だけに当てはまるのでない、という風に解していいでしょう。



ユキもアメもデリック・ノースも牧村托も一見お化け家族に見えますが、マイノリティという風な見方もできると思います。


ユミヨシさんは、物語においてとても読み手に近い存在です。

チョット神経質で、勇敢。

しかし彼女はあちらの世界に行ってしまいます。



ふう。

救いのない物語だと思います。

すべてが徒労に終わるような感覚。

それでもダンス…。

あまり開放感はないです。


村上さんは楽しんで執筆できたとどこかで語っていましたが!

まるで「kid A」のoptimistic…「できる限りのことをすればいいんだよ」…OK。


食事の文章がぐだぐだと続くところが、気持ちを落ち着かせてくれました。


ダンス・ダンス・ダンス〈上〉
ダンス・ダンス・ダンス〈下〉

| 速読家の読書感想 | 22:10 | - | |