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@速読書事典

速読や読書術・書籍の大百科事典です。
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ピンボールとの一期一会〜村上春樹/1973年のピンボール
「風の歌を聴け」に次ぐ村上春樹の30年前の小説です。

時を経て、出会いと別れを繰り返し、「靴箱の中で暮らす」ようになった主人公がモチーフ。
前作と比べれば、全体の設定が幾分か「分かり易い」内容に仕上がっています。


双子のペアは、(ブラックジャックの)ピノコみたい。
危なっかしい主人公を少しだけ安心してみていられる役回り。

アクセント。
このアクセントが、物語にどれだけ関わっているかは…あまり問題ないですね。


これはピンボールのお話であり、主人公が語る昔の女の子の追憶などは読者には共感以上の意味はないのだから。



コミュニケーションに関わるモチーフが、多用されているのが特徴。

物語上の出来事で…興味深いのは、配電盤の取り替え、その埋葬、鼠という愛に憂いだ人物の霊園に佇む描写を見てみても、生活そのもののゆるやかな変化の兆しが物語の通低音として響いています。



畜舎に整然と並んだピンボールや霊園の描写は単なる死の象徴として考えるべきではないのです!
青春という苦い季節をやり過ごし、その季節を生き延びた人間が今ある自分の過去の記憶を墓標に刻んでいるもの、と考えていいでしょう。
決別?EXACTLY!


現在進行で、今にも死のうとしているものを自分の手で、殺すということかもしれません。
(自ら決意し、町を離れる鼠の心情とも通じます)

そして殺すことで、生を取り戻す。

1973年という、「現在」の記録。


主人公も鼠も、同一人物、ペア、と解しても差し支えないでしょうが、一方はディスコミュニケーションを徹底することで生き延び、一方は街を離れることで死に絶えます。


紙一重。
とくに何が違うでもないんです。



この小説「1973年のピンボール」を未読の人には特に…失恋した人や、大切な人を失ってしまった人に読んでほしい。

凹んだ気持ちが少しはアップリフトするかもしれませんよ。

…なんだか、けっこうブルーな内容なのかも知れませんね。
基本的に一人称だし…。








| 速読家の読書感想 | 19:10 | comments(0) | |